晴れた日曜日に「海洋天堂」を観ることについて。

ひさしぶりに晴れた週末。昨日はお休みだったので、フローリングを磨いたり、家具を磨いたり…ひとしきりゴシゴシ作業を終えて、少し前に録っておいた映画を観ました。ジェット・リー主演の「海洋天堂」。

海洋天堂 [Blu-ray]

予備知識がなく観たので最初の10分くらいは「重い?」「どうする?」と迷いながら。そして途中から大号泣。晴れた日曜の午後にぴったりの心があらわれる映画でした。

ジェット・リー演じる父親自閉症の息子。一日の大半を父親の職場である水族館で過ごします。息子はまるで海の生き物のように泳ぐのが上手です。父親は末期がん。自らの寿命が僅かで、後に残される息子を心配しています。はじめはいっしょに命を絶つことも考えた父親でしたが、息子を受け入れてくれる施設を探しまわり、漸くみつけた施設へと息子を送り届けます。「私は寂しいのに、息子はなんの感情もないようだ」とつぶやく父親。ところが夕方になり、息子が精神的に不安定になっていると施設から呼び出されます。誰にも体を触れさせず、悲しそうに悔しそうにうなる息子。かけつけた父親をみて涙をみせます。そうです。息子は父親と離れることが平気なわけでなくうまく感情を表現できないだけ。こうして最後の時を共に過ごすことにした親子。父親はひとりで生きる術をひとつひとつ丁寧に教えていきます。バスに乗ること、降りること。服を着替えること。ゆで卵を作ること。そして、泳ぐことがだいすきな息子が父親の存在をいつでも感じることができるように、お父さんは海亀になんだよ。海亀になるんだよ、と教えて逝きます。「生きる」ために親ができること。その親の姿をみてまわりの人たちができること。また1本、わたしにとってたいせつな映画が増えました。